KKHTCNNシンポジウム@シンガポールで発表しました
2022年11月16日~20日の旅程でシンガポールを訪れ,National University of Singaporeで開催されたThe 33rd KKHTCNN Symposium on Civil Engineeringにて,M1の学生2名が研究発表を行いました.初めての国際会議,または学生によっては初めての海外渡航という状況の中,反省点もありながらも無事に(?)発表・質疑応答を終えることができました.空いた時間にはシンガポールの街並みを見学するなど,充実した海外出張となりました.
Two M1 students visited Singapore from November 16 to 20, 2022 to present their research in The 33rd KKHTCNN Symposium on Civil Engineering held at National University of Singapore. It was the first time for the students to attend an international conference, and for some students, it was their first trip abroad. The presentation and Q&A session were successfully completed, although there were some points to reflect on. The trip was a fulfilling experience for the students, including the visits to the streets of Singapore on their free time, together with the presentation experience.
大森 隼汰
まず自身の発表に関して,今回の反省は「原稿に縛られすぎてしまったこと」です.原稿は参照できるものと思って準備していましたが,会場の機器の都合で使用できませんでした.本番は見られないことに焦ってしまい,早口になったり,詰まってしまったりする場面が多くありました.あまり聞きやすい発表ではなかったかと思います.原稿を読もうとすると,棒読みになったり,正確に原稿を読もうとミスを恐れてごたついたりします.したがって本番の発表で原稿見られるか否かに関わらず,最初原稿を作った上である程度内容を覚え,本番は自分の言葉でのびのび話す,というのがベストであったというのを今回学ぶことができました.確かに他のプレゼンターの方は原稿なしでしゃべってる方が多く,自分の言葉でお話されていましたので,これからはまず日本語の発表で,それを目指そうと思います.
一方で,「初見の人に分かりやすいパワポにする」というのはある程度達成できたと思います.できるだけ難しい表現はなくし,文字も少なくできました.また動画も多く用いて説明し,イメージしやすいものにできました.そもそも研究内容は分かりやすいということもありますが,発表が終わった後に多く質問やご意見を伺うことができたのは,発表を理解してくれたからであると考えています.ご指導いただいた先生方・先輩方,ありがとうございました.
今回は様々な分野の方の発表を聞くことが出来ました.偶然かと思いますが,印象に残った発表はKAIST(韓国科学技術院本院)の方のものが多かったです.内容が具体的でイメージが掴みやすかったからかもしれません.以下に印象的だった発表を挙げます.S.K.さん(KAIST)は,韓国の火災に関してリスクファクターを導入し,地区を区分けし,その領域ごとにリスクアセスメントを行っていました.リスクファクターとは例えば,室外機やLPガスの設置状況や道の狭さ,建物の古さ,空き地の有無など様々です.それらを重みづけし足し合わせることでリスクを計算していました.最終的にはハザードマップのようなものを完成していました.実際の状況に即して作られたものですのですぐに利用できますし,消防や避難計画など,用途も多様に考えられると思います.D.P.さん(KAIST)は,U字型の石積み壁を対象に振動台実験を行っていました.なんて具体的な形でやるんだと,最初は驚きましたが,振動モードを用いて体系的に説明なさっていました.このような具体的な形状でも,授業で習うような理論が適応できるということを,改めて感じることができました.発表の仕方で印象に残ったのは,D.L.さん(KAIST)です.内容は難しくてよくわかりませんでしたが,とても楽しそうにはきはきとプレゼンなさっていました.また自身の発表が終わった際の,「質問どんどんどうぞ」と呼びかける姿勢も印象的でした.質問がどんなものが来るかと恐れていた僕からすると,とても尊敬できることです.こんな心持ちで発表できるようになりたいなと思いました.
最後に八木先生,発表後にキャスター付きの椅子にうまく座れずに転倒しそうになり,後ろに座っていた八木先生に椅子をぶつけてしまいました,大変申し訳ありませんでした.その場で許してくださいましたが,痛みで会場を退出なさっていたとお聞きし,申し訳ない気持ちでいっぱいです.重ねてお詫び申し上げます.
京谷 麟太郎
初めての国際学会であったため,緊張した.ただ会場が大会議室ではなく,丸テーブルを囲んで座るような小さな教室だったので逆にありがたかった.中国の大学はzoomでの参加であった.自宅から参加しているように見えたのでリラックスして原稿もがっつり見ながら発表できている様子だったのでずるいと感じた.パワポの発表者スライドを使用する予定で準備していたが,会場で発表者スライドを用いようとすると表示用ディスプレイにも映ってしまうことから使用できないことが判明し,急遽原稿を暗記することになったため,焦った.今後の学会発表ではスライドを見ただけで原稿を見なくても発表できるように練習する.
大きな事故や炎上することなく発表を終えることができてほっとしている.他の発表者の中には発表に慣れていて優秀そうな人もいたのでマネできる部分は吸収したいと思っている.発表中のポインターはパワポに搭載されているものではなく,手で持つタイプのポインターを用いた方が姿勢よく発表できることが分かったので,今後は研究室にあるものを用いようと思う.
野口先生にも言われたが,質問されて黙り込むというのが一番良くないと自分でもわかっていたので,的外れでもいいから何か英語を喋って回答しようと意識していた.幸いにも日本での土木学会関西大会での質問内容と類似していたので落ち着いて回答することができた.質問者の後ろに八木先生が座っていたので八木先生のリアクションを極力気にせず回答することを心掛けた.質問者が一人だけだったのでセッション終了後,質問者に積極的に話しかけに行き,議論できたのでそれは話に行って良かったと思う.
今回の国際学会は懇親会と後日ツアーが開催されるものだった.懇親会はシンガポール料理が出てきたり,お酒を飲んだりと楽しく過ごすことができた.自分の発表で質問してくれた人にも話しかけに行き,名刺を頂くことができた.ツアーの方では日本が好きで進撃の巨人のカバンを持っていた台湾大学の人と仲良くなることができ,インスタグラムを交換した.今でも,やり取りをしているので国際交流という観点でも有意義な機会になった.
この国際学会の経験を活かし,今後の研究に生かしていきたい.